表計算ソフトとの比較

1998年 8月16日更新
こちらでは、表計算ソフトは、EXCEL97とLotus1-2-3 97、桐はver.6を対象に説明しています。
基本的な概念はDOS版でも違いはありませんので、桐ver.5のページもあわせてご覧下さい。

MENU
1.一般的な処理手順
2.列と行のしくみ
3.表の構造
4.データの入力と訂正
5.縦横の計算式の設定
6.ファイルの保存、ファイルを開く
7.データベース処理
8.集計処理
9.印刷の書式設定
10.ラベル印刷やハガキ印刷
11.フォームによる入力
12.関数について
1.一般的な処理手順(縦横の集計表を作成する)
表計算では 桐ver.6では
1.起動
2.文字や数値の入力
3.計算式の入力、複写
4.罫線等で体裁を整える
5.必要なファイルを印刷する
6.表をファイル名をつけて保存する
7.終了 

 表計算ソフトでは、データ入力も計算式の設定も表の体裁を整えるのも一つの編集画面の中で行います。
1.起動
2.表の新規作成、ファイル名をつけて表定義をする
3.表定義で計算式(横計算用)を入力する
4.編集画面で文字や数値を入力する
5.行集計で縦集計をする。(必要に応じて)
6.一覧表印刷で印刷結果の体裁を整え、印刷する
7.表を上書き保存する
8.終了
(フォームやレポートを使わない基本的な手順)

桐では、まず最初にデータを入力する入れ物(表)の設計を行う必要があります。これを表定義と呼びます。
 表定義をしたら、編集画面でデータの入力を行います。
2.列(フィールド、桐では項目という)と行(レコード)のしくみ
表計算では 桐ver.6では
 列名はアルファベット(A、B、C〜)、行番号は数字(1、2、3〜)で表され、その交差する地点を「セル」と呼び、A1とかB2とかいうセル番地でそのセルを指定する。

 そのセルには、文字や数値等のデータの他、計算式を埋め込むこともできる。例えば、C3のセルに=A3+B3(エクセルの場合)という計算式を記述するとC3にはその計算結果が表示される。

 同じ条件で他の行にも計算式を設定するには、すべての行に対してその計算式を複写する必要がある。

 また、ある行だけ別の計算式を入れることも可能である。 
 列(フィールド)は、表定義で設定した項目名で表され、行番号自体にはあまり意味はない。1行は1件のデータに相当し、レコードとも呼ばれる。
 列ごとに項目の性格(項目属性)が定められ、必ずデータ型(文字や数値等)を決めなければならない。また、計算式も埋め込むことができる。
 したがって、仮に[A]、[B]、[C]の3つの項目があって、[C]という項目の項目計算式に[A]+{B]という式を埋め込むと、上から下まですべての行に対してその計算式にもとづいて計算される。
 表計算であれば、セルひとつひとつに対して計算式を入力するか、複写をする必要があるが、桐では表定義の時に項目計算式を入れておくだけでよい。
 計算式の入っている項目は直接訂正できず、その項目を修正するには計算式の元となる項目(例では[A]又は[B])を修正しなければならないので、つまらない計算の設定ミスはなくなり、データの整合性はとりやすい。
 なお、挿入初期値や編集初期値に計算式を入れておくと計算結果を修正することも可能である。
3.表の構造
表計算では 桐ver.6では
起動すると、何も書いてない集計表イメージの表が現れる。
A、B、C〜といった列名と、1、2、3〜の行番号が表示される。
列名や行番号は印刷時には、印刷はされない。この集計表に文字、数値等のデータや計算式を記述する。(自由な位置に入力することができる。)
また、印刷イメージにそって罫線を引いたり、入力した文字のフォントや文字の大きさ等を指定し、体裁を整える。
複数のワークシートを一括して取り扱い、それらをまとめてブックという単位でひとつのファイルに保管される。

1.表の定義
データ入力の前に必ず、表定義をしなくてはならない。
上記の表定義画面で、項目名やデータ型(文字列、数値等)を決める。編集画面では横に並ぶ項目名が
表定義画面では、縦に並んでいる。
2.表編集画面
編集画面では、定義した項目名が表計算の列名が表示されている位置に横に並んでいる。
データは、表計算のように自由なセルに入力することはできず、まず行挿入を実行して入力するためのレコードを追加する必要がある。普通、左から順番に右に向かって入力していき、最後の項目でEnterを押すと次の行にカーソルが移る。その時点で入力したデータが登録される。または、行の途中でもF4(表示)を押した時点で登録される。
入力済みのデータを訂正する場合、セルに直接書き込もうとしても、表示モードであれば、行訂正を実行して、編集モードにしなければならない。
入力されたレコードの一番下の行を最終行という。最終行の次の行は終端行といい、終端行にはカーソルは移動するが、実際にはデータは入力されてはいない。
この表はただデータを入力するための枠組みなので、印刷結果をイメージしながら入力する必要はない。
桐では、複数のワークシートを一つのファイルに保存するという概念はなく、一つのファイルに一つの表が保管される。表計算でのワークシート間でのやりとりしていることは、桐でいうとファイル間での取り扱いということになる。
4.データの入力と訂正
表計算では 桐ver.6では
データはセル単位に入力する。
1.入力
アクティブセルを移動してそのまま入力する。
もしくは、入力範囲をドラッグして反転させておいてから入力する。文字を入力すれば文字に、数値を入力すれば数値として入力される。
2.訂正
上書き訂正の場合は、そのままカーソルを合わせて入力する。入力してあるものを利用して訂正する場合は、そのセルをクリックするか、F2を押して訂正する。
表編集の画面には表示モード、行挿入モード、訂正モードの3種類がある。
データは行(レコード)単位に入力する。
1.新規レコードの入力
新しいデータを入力する位置の行セレクタを右クリックし、行挿入を指定する。新しいレコードが挿入されるので、普通は左から順に入力していく。必要なレコードの分だけ繰り返す。最後にF4表示キーを押して表示モードに戻す。
2.1項目だけ訂正したい場合
その項目をクリックして、訂正モードにして入力する。
(その項目を訂正すると表示モードになる)
3.複数項目を順番に訂正したい場合
訂正項目のところで右クリックし、訂正を指定する。
訂正モードになるので入力していく。
最後にF4表示キーを押して表示モードに戻す。
5.縦横の計算式の設定(最も簡単な計算)
表計算では 桐ver.6では
A B C E
1 品目 単価 数量 金額
2 鉛筆 100 3 300
3 ノート 200 2 400
4 消しゴム 50 2 100
5 合計 7 800
上記の表の場合
1.横の計算
E2のセルに=B2*C2という式を入れ、その式を4行目まで複写する。
2.縦合計
E6のセルに=SUM(E2:E4)という式を入れる。
品目 単価 数量 金額
1 鉛筆 100 3 300
2 ノート 200 2 400
3 消しゴム 50 2 100
上記の表の場合
1.横の計算
表定義において、[金額]の項目計算式に
[単価]×[数量]という式を設定しておく。
2.縦合計
行操作→行集計を実行する。
行集計条件を名前を付けて新規作成し、今回は小計の計算をしないので、総計をとるをクリックし、集計行ボタンを押し、集計行設定で集計行1の品目の所に「合計」、数量と金額のところに#合計を入力する。
実行すると集計行が挿入され縦合計が表示される。
行操作→解除を選ぶともとのデータのみの表に戻る。
6.ファイルの保存、ファイルを開く
表計算では 桐ver.6では
ファイルのメニューバーの中の新規作成、開く、閉じる、上書き保存、名前を付けて保存等の機能の使い方は、一般的なワープロソフト等と大差はない。 桐では、新規作成、開く、閉じる、すべて閉じる、上書き保存、編集前に戻す等がある。
新規作成
必ずファイル名を決め表定義をしなくてはならない。
(簡易作成やテンプレートを使って簡単に作成することもできる)

通常、開くと編集状態になるが、再定義で開くと表定義画面になる。
閉じる、すべて閉じる
一般的な考えと同じ。すべて閉じるは複数の表を開いているとき、それらの表をいっぺんに閉じるとき使う。
上書き保存
一般的な考えと同じ。
編集前に戻す
表計算で言うと、保存しないで閉じてもう一度同じファイルを開くのと同じこと。
名前を付けて保存の機能はない。
しいて同じようなことをするなら、書き出しの機能を使う。(データや計算式は書き出されるが、索引等一部書き出されないものがある)
7.データベース処理
表計算では 桐ver.6では
エクセルでは、データベース処理の機能も備えている。
ただし、あくまでワークシートのサイズに限られるのであまり多くのデータは扱えないが、ちょっとしたデータベース処理ぐらいなら十分使える。
フィルタ
データ→フィルタを実行するとある条件に当てはまるものだけを抽出して表示させることができる。
並べ替え
データ→並べ替えを実行すると、ある項目を基準に昇順又は降順で並べ替えることができる。

Lotus123では、検索や置換機能は持っているが、特定の条件をつけてデータを抽出すると、そのデータはアプローチに移されて処理することになる。その抽出データを利用するには、ワークシート上に貼り付ける必要がある。パワーアップキットを組み込むと1-2-3R5Jと同様のメニューで問い合わせ機能を使い条件にあうデータを検索したり抽出を行うことができる。
桐はデータベースソフトであるので、当然のことながらデータベース処理は得意中の得意である。
検索
比較式による検索では部分一致検索(しない、含む、含まない、先頭一致、末尾一致)と比較方法(自動、文字符号、辞書順、拡張辞書順)の設定により柔軟な検索が行える。
絞り込み
検索と同様の比較式による絞り込みの他、条件名、重複、単一化、選択行、行数、補集合、同一値等多彩な絞り込み方法が行える。
並べ替え
複数項目による並べ替えはもちろん、並べ替え条件も複数登録しておけ、索引を使用することにより並べ替えの高速化や重複登録の禁止を設定することもできる。
置換
表のデータを項目単位で一気に変更する機能で、表定義で項目計算式を設定してなくても、置換で計算式を入れれば簡単に項目間の計算をすることもできる。
併合
ふたつの表(別ファイル)のデータを突き合わせて一方のデータを更新(置換、四則演算)する機能。
併合により照合したデータを削除したり、絞り込みをしたりすることもできる。
結合
複数の表(別ファイル)に保存されているデータをひとつの表にまとめることができる。
8.集計処理
表計算では 桐ver.6では
エクセルでは自動集計やピボットテーブルという機能があり、簡単にグループごとの小計やクロス集計を行うことが出来る。
データ→集計
この機能を使うと簡単にグループごとの小計をとった集計を行うことができる。また一時的に集計行だけを表示したりすることもできる。自動的に小計が挿入され、SUBTOTAL関数が設定される。
データ→ピボットテーブルレポート
この機能を使うとビジュアル感覚による設定で簡単にクロス集計を行うことができる。

Lotus1-2-3の場合、作成→データベース→ダイナミッククロス集計で行うが、この機能はアプローチの機能を使って行い、その結果をワークシートに貼り付けることになる。ただし、利用者にはアプローチを使っているような意識をしないで使うことができる。

単なる縦集計である行集計機能は、桐の方が充実しているが、クロス集計はLotus1-2-3やEXCELの方がビジュアル感覚で簡単に設定でき、一度に複数の項目を集計することができるようになっている。
桐の集計機能には行集計と転置集計がある。
行集計
行操作→行集計で実行する。ある項目についてグループ化し、そのグループごとに合計や平均等の集計をする機能である。
グループ分けにより、総計、大計、中計、小計ごとに集計できる。
行集計を行うと自動的に集計行が挿入され、解除すると元に戻る。集計行は複数行とることもでき、行集計条件も複数登録しておくことができる。
また、ワンタッチで集計行のみの表示と明細行付きの表示を切り替えることができる。
データの入力は基本状態で行い、行集計を行ってからその結果を印刷して、印刷が終わると行集計は解除しておくのが一般的である。
転置集計
行操作→転置集計で実行する。
縦に並んだデータを縦と横に展開して、それぞれの交差するセルにデータを集計するという機能で、別名マトリクス集計とか、2次元集計などとも呼ばれている。
その際、転置項目のデータそのものが転置集計後は項目名となります。
項目集計
指定した項目の全データについて、ワンタッチで、合計、平均、最大、最小、件数等の集計を行い表示する機能で、他のソフトには見られない便利な機能である。
9.印刷の書式設定
表計算では 桐ver.6では
表のデータにそって、セルの書式(文字の位置、フォント、罫線等)を設定して印刷する。
エクセルでは、あらかじめ用意されているスタイルをワークシートに自動的に適用する「オートフォーマット」という機能も利用することができる。
桐の印刷機能には、一覧表印刷とレポート印刷の2種類があるが、手っ取り早く表のデータを一覧表形式で印刷したい場合は、一覧表印刷を使用する。一覧表印刷でもかなり凝った設定をすることができる。
ファイル→印刷→一覧表を実行する。
一覧表印刷条件は複数登録できるので、同じデータをいろんな形で印刷することができる。
表計算ソフトと違って実際のデータの表に各種設定を行わないで、一覧表印刷の属性で各種設定を行うので、最初はわかりにくいかもしれないが、一覧表印刷属性→書式→表スタイルには合計36個の基本設定パターンが登録されているので、とりあえず最初はその中から選び、その後自分の好きなように細かいところを修正していくのがいいだろう。
一度設定してしまえば、もとのデータを追加したり削除したりしても、印刷設定を変えることはほとんど必要ない。
10.ラベル印刷やハガキ印刷
 表計算では 桐ver.6では
Lotus123では、作成→データベース→宛名ラベルの機能を使って行う。この機能は実際には1-2-3からデータベースソフト「アプローチ」を呼び出して、アプローチ上で操作することになるが、アプローチを使っていることを意識せずに操作することができる。
エクセルでは、VBAを使ってデータのあるワークシートから、宛名ラベル印刷用のワークシートへデータを移して印刷することになる。
また、ハガキ印刷については、ワードのはがき宛名印刷ウィザードを使いエクセルの住所録データを呼び出して印刷する。
いずれにしても、1-2-3やエクセル単体の機能としては、貧弱でありちょっとテクニックが必要である。
表に保存したデータを利用して、ラベル(タックシール)やハガキの宛名を印刷したいような時には、レポート印刷の機能を使う。
レポート印刷では印刷用のフォームを作成しレポートファイルとして保存する。レポートファイルを作成するには簡易作成の機能を利用すると簡単に作成できる。その後自分の思うように細かいところを変更すればよいだろう。作成したファイルを利用して印刷するには、まず表(TBL)を開き、印刷したいレコードを絞り込んだ後、ファイル→印刷→レポートを実行し、レポートファイルを指定して印刷する。
レポートファイルにはデータそのものは存在せず、レイアウトの定義だけが保存されている。
したがって、いくつもレポートファイルを作っておいて、一つの表(データ)からいろんな形で印刷することもできるし、ひとつレポートファイルを作れば他の表データの印刷に利用することもできる。
レポートファイルには次の種類がある。
単票形式レポート
カード型のように1レコードを1ページに印刷する形式で、ハガキの宛名印刷もこれにあたる。
一覧表形式レポート
複数レコードを表の形で印刷する形式。表の一覧表印刷でも結果はよく似ているが、より高度な表現をしたいときに使用する。
伝票形式レポート
複数レコードを伝票の形で印刷する形式。納品書のように領域の位置が定められているもの等に使用する。
タイル(タックシール)形式レポート
市販のタックシール用紙のように、1ページの中に複数のレコードのデータを縦横に分割して印刷する形式で、印字位置も自由に決めることができるので、市販のどの用紙にも対応できる。
複合したレポート
単票、一覧表、伝票、タイルを自由に組み合わせたレポートを作ることもできる。単票とその他の形式との間でデータを関連づけて対象データを絞り込むこともできる。
11.フォームによる入力
表計算では 桐ver.6では
エクセルでは、データ→フォームを指定すると、1行が縦に並んだ定型のフォームが表示され、それを使ってデータを入力することができる。

Lotus1-2-3では、作成→データベース→フォームを指定すると、アプローチの機能を使って入力フォームを作成し、それを利用してワークシートのデータを入力することができる。
 フォームには、表に保存されているデータを見やすく表示したり、入力や編集をしやすくするという役割がある。
 桐での入力用フォームは、フォームファイルとしてディスクに保存され、ひとつの表に対して目的にあった複数のフォームを作成し、目的ごとにフォームを切り替えて使うこともできる。
 フォームにコマンドボタンオブジェクトを登録しておいてよく使う機能や条件を設定しておき、フォームからそのボタンを押すだけで簡単に機能を実行できるようにしておくこともできる。
フォームには、下記の種類がある。
カード形式
1レコードを1画面に表示する形式。
一覧表形式
複数のレコードを表示する形式。
表示レコード数は固定でも自由に増やすこともできる。
伝票形式
納品書のように複数のレコードを1画面に表示する形式で、表示レコード数は固定である。
メイン&サブフォーム
メインとなるフォームに、すでに作成してあるフォームをサブフォームとして表示することができる。
フォームを作成するには、簡易作成の機能を使って簡単に作ることもできる。
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